筑波大学 ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター アクセシビリティ部門 2017年5月11日発行 Accessibility Newsletter 「障害のある学生の修学支援に関する検討会」第二次まとめ 第1号 平成29年5月 文科省「障害のある学生の修学支援に関する検討会」 第二次まとめが公表されました  文部科学省では、高等教育段階における障害のある学生の修学支援の在り方を検討するため、平成24年に高等教育局に「障害のある修学支援に関する検討会」を設定し、大学等における合理的配慮の対象範囲、合理的配慮の考え方、関係機関が取り組むべき課題等について、有識者を含めた検討を続けています。平成24年12月には、第一次まとめが公表され、平成29年4月には、以下の内容を含む第二次まとめが公表されました(表1)。  これまでの第一次まとめや、平成28年の「障害者差別解消法」の施行に伴う研修会や各関係機関における積極的な取り組み等により、日本の障害学生支援が進展しつつあるものの、人員不足や合理的配慮決定の手順、紛争処理に係るプロセス等が十分に具体化されていないことや、対応に苦慮する現状をふまえ、第二次まとめでは、より具体的な対応方法に踏み込んだ内容も議論されています。教職員の皆様もぜひ一度、内容についてご確認ください。  第二次まとめの詳細は、URLをご参照ください。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm 表1  「障害のある修学支援に関する検討会」 第二次まとめの目次 1. はじめに 2. 大学等における障害のある学生の現状 3. 第一次まとめで取り組むべきとされた事項の進捗状況 4. 本検討会における検討の対象範囲 5. 障碍者差別解消法をふまえた「不当な差別的取り扱い」や「合理的配慮」に関する考え方と対処 6. 各大学等が取り組むべき主要課題とその内容 7. 社会で活躍する障害学生支援センター(仮称)の形成 8. おわりに 「障害学生支援技術(ピア・チューター養成講座)」の 宣伝にご協力をありがとうございました アクセシビリティ部門では、障害のある学生の支援者(ピア・チューター)養成のため、「障害学生支援技術(自由科目特設)」を授業として開講しています。毎年、各教育組織の先生方にご協力をいただいて、先生方の授業の中で、当該授業の宣伝活動を実施しています。今年度も多くの先生方からのご協力により、宣伝活動を行うことができました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。各教育組織に所属している障害のある学生への修学支援のためにも、今後とも引き続き、ご協力をお願いいたします。 修学支援情報配信サービス 「Learning Support Book」のご紹介 発達障害学生支援プロジェクトでは、発達障害学生に対する修学上の支援で得られた経験を活かし、障害のない学生も含めた全ての学生に対して修学に役立つ情報を配信するサービス「Learning Support Book」を開発しました。 【概要】  「Learning Support Book」(https://tsukuba-access.e-manager.jp/)では、民間企業の電子ブックサービスを利用し、学生・教職員などのユーザーの所属に応じた支援情報を配信しています。  具体的には、全ての学生に対して、授業やレポート、研究活動等で役立つ便利ツールやアプリなどの支援技術(Assistive Technology:AT)や個々の学生が行っている工夫に関する情報を配信しています。  発達障害のある学生等は専用のコンテンツとして、学生に貸出している支援機器や相談機関の情報を見ることができます。  また、教職員には学生支援に役立つガイドや資料などを配信し、障害学生支援に関する理解・啓発を進めています。  これらの情報は、筑波大学のみならず、希望する他の国立大学等とコンテンツを共有しており、大学の垣根を超えたノウハウの蓄積と共有により、日本の発達障害学生支援を担う人材の育成にもつながることが期待されます。  このように、障害のある学生も障害のない学生も、共に豊かな学生生活を送れるインクルーシブな教育環境の構築を目指しています(図1)。 図1 Learning Support Bookの役割 (発達障害学生支援プロジェクトRADDが、筑波大学の教職員向けには、学生支援に役立つガイドや資料に関する情報提供。障害のない学生には、授業やレポート、研究活動等で役立つ支援技術の情報提供。発達障害のある学生等には、支援機器の貸し出しや相談機関に関する情報提供により、合理的配慮の提供・他大学の障害支援担当者等には、発達障害学生支援を担う人材の育成へ。) 【主なコンテンツ一覧】  ●ノート・メモの取り方  ●試験対策・レポートの書き方  ●タスク・スケジュール管理  ●忘れ物を防ぐ方法  ●勉強のやる気・集中力アップ  ●学業と趣味・生活の両立  ●部門利用学生・教職員専用コンテンツ ※随時、学生スタッフがコンテンツを更新しています! ダイバーシティawareness weekを開催します! ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンターでは、今年度からの新しい取り組みとして、「ダイバーシティawareness week」を開催します。本学の学生や教職員だけでなく、地域の皆様にも広く周知し、皆さんがダイバーシティを身近なトピックとして考えることのできるような企画を複数ご用意しております。 現在、アクセシビリティ部門では、様々な学類や関係組織との共催企画として、「障害とテクノロジー(仮)」、「アダプテッドスポーツ(仮)」といった複数の企画の準備をしています。 近隣の障害者支援関連団体によるお弁当の販売等も行う予定ですので、どうぞご参加ください。  日時:10月2日(月)〜6日(金)  場所:第三エリア、2B412ほか   対象:全学の参加可能な学生・教職員     地域の方 障害のある学生の修学支援についてのご相談はこちらです 今年度も筑波大学に多くの障害のある学生が入学してきました。授業の中で、学生が障害のために苦戦していること、教職員の皆様がお困りのことはありませんか? 障害のある学生の修学支援についてのご相談は、アクセシビリティ部門までお願いいたします。修学支援以外のご相談については、他の専門的な相談窓口をご紹介することも可能です。 【アクセシビリティ部門連絡先】 スチューデントプラザ2階 TEL 029-853-4584 E-mail shougai-shien@un.tsukuba.ac.jp 支援の意思表明を促す 実践研究事業へのご協力のお願い 発達障害学生支援プロジェクトでは、修学上の困りごとのある学生が修学上の支援を受けやすくなるための 試験的な実践研究事業を開始しております。  ご協力いただける教育組織の方は、下記の問い合わせ先までご連絡頂ければ幸いです。 【内容】(図2) ●年2回、所属学生に「学生生活の困りごと調査」  を配布する(講義等の機会で) ●調査結果をアクセシビリティ部門が解析して、  学生に個別でフィードバックする ●必要に応じて、個別に相談窓口や修学支援情報  配信サービス「Learning Support Book」を学生に紹介 ●学生が教職員に結果を伝えても良いと回答した場合は  個々の学生の結果を所属組織の教員に伝える 図2 支援の意思表明を促す実践研究事業の概要 【期待される成果】 ●学生自身が、自分の特徴や困りごとの程度を客観的に  知ることができる ●困りごとの程度が高い学生が、相談窓口につながり、  修学上の支援を受けやすくなる ●教職員が所属学生の困りごとの程度等について  知ることができ、早期に対応することができる 【問い合わせ先】  アクセシビリティ部門   発達障害学生支援プロジェクト(RADD)  助教 佐々木 銀河(ささき ぎんが)  E-mail:sgalaxy@human.tsukuba.ac.jp 内線:3888 ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター  アクセシビリティ部門 場所:スチューデントプラザ2階(受付対応事務) 開室時間:8:30〜12:15, 13:15〜17:15 TEL:029-853-4584(内線4584) FAX:029-853-2257 E-mail:shougai-shien@un.tsukuba.ac.jp URL:http://dac.tsukuba.ac.jp/shien/