Accessibility Newsletter 「障害差別解消法」施行後初めての実態調査  独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)では、平成17年より毎年、全国の大学・短期大学・高等専門学校を対象に、障害のある学生の修学支援に関する実態調査が行われています。今年度は、「障害者差別解消法」施行(平成28年4月)後、初めての調査となりました。本号では同調査の最新のデータをご紹介しながら、平成28年度のポイントを整理したいと思います。 ※平成27年度の調査より、障害種別および下位区分の整理・改善が行われ、障害・疾患名が具体的に明示されるようになりました。特に「その他」に計上されていた精神疾患・精神障害・知的障害は、「精神障害」として独立したカテゴリーに整理されました。カテゴリーが増えたため、平成27年度以降は「精神障害」(桃色のバー)として示されています。 障害学生数の大幅な増加傾向の継続  平成27年度にみられた障害学生数の大幅な増加傾向は、平成28年度も同様にみられ、全学生に占める障害学生の割合は、前年度の0.68%から0.18ポイント増の0.86%となりました。この理由としてJASSOは、「障害者差別解消法」施行後、各大学等において障害学生支援体制の整備や取り組みが進み、さらに学内連携が整ったことにより、障害学生の把握が一層進んだことを指摘しています。障害種別でみると、「病弱・虚弱」の学生数が 9,387人(前年度6,462人)と最も増加し、次いで「精神障害」の学生数が6,775人(前年度5,889人)と増加しています。平成27年度の調査より、障害種別および下位区分の整理・改善が行われ、障害・疾患名が具体的に明示されるようになったことで、それらの障害学生の把握が一層進んだと考えられます。   障害学生支援体制の整備  障害者差別解消法に関する対応要領や障害学生支援に関する規定等があると回答した学校は426校(全体の学校数の36.4%)で、前年度より14.7ポイント増でした。平成27年度に比べると障害学生支援体制が大幅に整備されてきたと言えます。  養護机について  移動補助の声かけのお願い  「養護机」とは、主に車いすを利用している学生が使用しているものです。車いすを使用していると、机の高さや幅が合わず車いすのまま入れない場合があります。特に、大教室で多くみられる椅子が固定されている机は、車いすでは使うことができず養護机が必要です。筑波大学では、この養護机を車いす利用学生が使用する教室に配置するようにしていますが、数が十分ではなく、廊下などの共有スペースに1台設置している場合があります。車いすに乗った状態では、自分で机を移動させることが困難です。もし車いす利用学生が共有スペースの養護机の使用を希望している様子を見かけられた際には、学生への移動補助の声かけについてご協力をお願いいたします。    【報告】 関東鉄道バス訪問  アクセシビリティ部門では毎年7月頃に、車いす利用学生や視覚障害のある学生と一緒に、日頃大学循環バス等でお世話になっている関東鉄道バスの営業所を訪問しています。今年も7月5日(水)に訪問を行い、乗務員の方々とバスの乗降体験や意見交換を行いました。日常的にバスを利用している学生も多く、普段はなかなか伝えることができない感想や要望などを双方ともに話すことができ、貴重な機会となりました。    ダイバーシティ Awareness Week 2017    期間:10月2日(月)〜6日(金)   場所:筑波大学筑波キャンパス、中央図書館前 石の広場ほか    今年からDACセンターの新しい取り組みとして「ダイバーシティ Awareness Week」を開催します。 「ダイバーシティ」を学内外の皆様にひろく理解していただき、国籍・性別・障害を越えた多様な学生や教職員が過ごしやすい「インクルーシブキャンパス」の構築を目指して、様々な企画を用意しました。皆様のご参加をお待ちしています。本稿では、アクセシビリティ部門関連企画をご紹介します。詳細はセンターHPをご覧ください。  (http://dac.tsukuba.ac.jp/)  【アクセシビリティ部門関連 イベント企画】  10月2日(月)    11:35-12:10「自転車の防犯・駐輪マナー向上キャンペーン」    場所:第三エリア食堂前(雨天時 翌日順延)    共催:学生生活支援室   インクルーシブキャンパスを目指して、駐輪マナーを呼びかけます。  10月3日(火)   11:35-12:10「だれでも気軽に!アダプテッド・スポーツ」    場所:中央図書館前 石の広場(雨天時 一部内容変更あり)   共催:アダプテッド体育・スポーツ学研究室、        スポーツ・デー学生委員会   障害があってもなくても、だれでも楽しむことのできるアダプテッド・スポーツについて、パネルディスカッションを行います。アダプテッド・スポーツの体験もできます!  10月4日(水)   11:25-12:30「東京2020パラリンピックに向けて                             〜筑波大学ができること〜」    場所:中央図書館前 石の広場        (雨天時:総合研究棟A110公開講義室)   共催:オリンピック・パラリンピック総合推進室,        エンパワーメント情報学プログラム   筑波大学におけるダイバーシティに関する研究や人材育成が、東京2020パラリンピックにどう貢献できるのかをテーマに、リオパラリンピック選手とともにパネルディスカッションを行います。障害のあるユーザー向けツールのデモンストレーションも予定しています。  10月5日(木)    11:35-12:10「人工知能研究からみた身体障害者支援の未来」    場所:中央図書館前 石の広場   共催:システム情報系 鈴木健嗣研究室   身体障害のある学生からの支援に関する気になる質問に、本学の人工知能に関する一流の研究者が答えます。   11:30-13:30「おいしい!つくば美味展」     場所:中央図書館前 石の広場      共催:社会福祉法人創志会つくば障害者就業・生活支援センター,        認定特定非営利活動法人つくばアグリチャレンジ   本学の学生への支援やインターンシップ先としてお世話になっている団体による、こだわりの無農薬野菜や、美味しいお弁当などの販売を行います。    【常設展示】  ダイバーシティAwareness Week 「ポスター公開WEB投票」   協力:筑波大学附属聴覚特別支援学校  Awareness Weekのポスターを広く募集し、WEB上で公開投票を行います!  ダイバーシティAwareness Week スタンプラリー   共催:筑波大学発達障害学生支援プロジェクト(RADD)   QRコードからスタンプラリー用アプリをダウ           ンロード!一定以上のARス           タンプを集めた方にはグッ           ズを進呈します。  修学支援情報配信サービス「Learning Support Book」の一般公開   共催:筑波大学発達障害学生支援プロジェクト(RADD)  アクセシビリティ部門で運用している修学に役立つ情報を配信するサービスを、Awareness Weekの期間限定で学内外に一般公開します。    【DACセンター企画】  10月6日(金)   15:30-17:00  「ダイバーシティ推進研修会   国籍、性別、障害を越えた多様性がもたらすもの」(全学FD研修会)   場所:第二エリア2H101講義室  多様な学生や教職員が過ごしやすいキャンパスの構築について、DACセンターの理念やこれまでの取り組みの紹介を行うとともに、ダイバーシティ推進に積極的に取り組んでいる企業を招いての講演会を実施します。