合理的配慮とは?
発達障害のある学生は「障害者差別解消法」という法律により、学生が修学上の困難に対して、周囲の環境調整を行う「合理的配慮」を求めることができます。
本人との面談をふまえて、関係教職員との話し合いをした上で、可能な範囲での配慮内容を決定します。
本人との面談
発達障害を専門とする専門スタッフと学生が必要な合理的配慮の内容について話し合います。
関係教職員との話し合い
基本的には、学生本人が関係教職員(教育組織長、担任、ゼミ教員、授業担当教員、研究指導教員、エリア支援室職員など)と希望する配慮内容について話し合いをすることが望ましいですが、発達障害の専門スタッフが同席して、話し合いを行うこともあります。
専門スタッフとの面談で検討した配慮内容について、どのような点が調整可能なのかを担当教職員と協議して、修学に関する配慮内容を決定します。
筑波大学における合理的配慮の検討・提供プロセスは以下の通りです。
合理的配慮の例
個々の障害の種類や程度、授業や研究活動等の目的・内容・機能に応じて、下記のような配慮を授業担当教員や研究指導教員等が行います。
この内容はあくまでも例ですので、実際の配慮内容は学生と個別に面談をしながら、個々の学生の特性に応じて検討しますので、BHE(アクセシビリティ支援チーム)までご相談ください。
▶ 障害による留意事項の教職員への伝達
▶ 録音機器の持込・使用許可
▶ 遮音用のイヤホン・ヘッドホン等の持込・使用許可
▶ 板書の撮影許可
▶ 受講時における座席位置の配慮
▶ 受講時における途中入退室の許可(指定された時間内のみ)
▶ 休憩室の確保
▶ 授業資料等の提供
▶ 授業中のパソコンの持込・使用許可
▶ 試験時におけるパソコン回答の許可
▶ 試験時における別室受験の許可
▶ 実験・実習における手続きのマニュアル化
▶ 教員による指示伝達方法の明確化・具体化
▶ グループワーク時における発言ルール等の明確化
▶ 授業等の評価基準を本質的に変更しない範囲での成績評価方法の調整(集団から個別発表への変更など) など
上記の配慮は、これまでに発達障害の診断または傾向のある学生に実施してきた合理的配慮の”一例”であり、個々の学生や授業・研究活動によって提供できる内容が異なりますので、ご留意ください。
希望する配慮内容が障害特性と関連がない場合や、授業等における評価基準の本質的変更に該当すると判断される場合には、必ずしも希望の配慮が受けられないこともありますので、ご留意ください。
※例:「ASDの聴覚過敏があり、ノイズキャンセリングイヤホンの着用を認めること」
⇒「障害特性と希望する配慮内容に関連があり、成績評価基準の本質的変更に該当しないと判断されるため、認められる」
※例:「授業に参加することなく、単位を認めること」
⇒「授業時の討論への参加が成績評価基準に含まれる場合、希望する配慮内容により評価基準を本質的に変更すると判断されるため、認められない」
合理的配慮を受けるには?
アセスメント等を通じてBHEに支援申請をしている発達障害の診断または傾向のある学生が対象となります。
合理的配慮の調整や配慮依頼文書の作成を希望する学生は、BHEにご連絡ください。
なお、合理的配慮の提供には診断書や検査所見等の根拠資料が原則的に必要です。主な根拠資料の例は下記の通りです。
▶ 障害者手帳の種別・等級・区分認定
▶ 適切な医学的診断基準に基づいた診断書
▶ 標準化された心理検査等の結果
▶ 学内外の専門家の所見
▶ 高等学校・特別支援学校等の入学前の支援状況に関する資料 など
根拠資料がない場合も、必要に応じて、DACセンターでアセスメントを通じた根拠資料の作成を行いますので、ご相談ください。